濡れ鼠

暗闇に浮かび上がったのは、墜ちた天女
長い髪が 服が 雫を垂らしておちていく

 

翡翠の髪はしっとり濡れた
白い肌に張り付いて 隙間から同じ色の瞳が覗く

 

風に揺れはしない
雨に打たれて濡れ鼠になる

 

一人、哀しみの途方に暮れたかのように

 

 

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